心に響く言葉
詩の出処
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岡本弥太 詩集「瀧」より
by Ryuta
蹄 雹雨に叩かれて 暗い夜の坂をふんでゆく蹄のおとであつた その山をこして 十年たつてもその鉄の蹄の音は あたらしかつた 蹄のおとは余のゆくところの焔の坂に 白い光すら立てゝ響いてきた 余はその音におはれて さらにきつい焔の坂のいくつかを越へてきた